就労支援員|奈良輪潤一 | 社会福祉法人名古屋ライトハウス

就労支援員|奈良輪潤一

就労支援員として港ジョブトレーニングセンターで活躍中の奈良輪潤一さんにインタビューをしました。
業務内容や仕事のやりがい、1日の流れなどについて詳しくお話を伺い、就労支援員の仕事がイメージできる内容になっています。

PROFILE

就労支援員|奈良輪潤一

奈良輪潤一

2019年1月中途入職

前職では外資系の会社で営業を担当。現在は、就労支援員として自身と同じように難病を抱える方や障害をお持ちの方の就労をサポートしている。

自身のようにハンディキャップを抱える方の就労をサポートしたい

──名古屋ライトハウスに入職した理由を教えてください。

前職は、外資系の会社で営業を担当していました。実は、私は高校生の頃からクローン病という難病を患っています。前職在籍中、治療のため1ヶ月ほど入院する必要がありました。インセンティブが給与に大きく関わる仕事でした。今後も病気と付き合いながら仕事をするとなると前職のような環境でずっと働くのは難しいと考え、転職を決意しました。

求人を色々と見る中で、障害や難病などで自身と同じようにハンデを抱える方の就労をサポートするという名古屋ライトハウスの求人を見つけ、自分の中でピンときたんです。社会的マイノリティの方で働きにくさを感じている方は多くいるということは自身の経験もあわせて知っていたので、そういった方の力になりたいと考えました。

福祉業界は未経験でしたが、前職で培った法人営業のスキルも活かせると考え、転職を決めました。

ご利用者の納得のいく就労をサポートする仕事

──現在は、どのようなお仕事をされていますか?

私は、就労支援員としてご利用者の就労をサポートしています。
名古屋ライトハウスでは、「就労移行支援事業」と「就労定着支援事業」の大きく2つの就労支援事業を展開しているんです。私は「就労移行支援事業」に携わっています。

「就労移行支援事業」では、ご利用者が企業に就職するまで2年間のサポートを実施しています。
ご利用者は、施設で社会性を身につけたり、生活リズムを整えたりしながら、一般企業の障害者枠に応募し、最終的には就職する流れです。

障害者採用の場合、入社後のギャップを最小限にするため、1週間程度、志望する会社で実習をしてもらいます。その後、ご本人の意思を尊重しながら、面接に進むのか、他の仕事の方がよさそうかなど判断していくんです。私は、面接に同行したり、志望する会社の方とコミュニケーションをとったりとご利用者が納得のいく就職ができるようサポートしています。

ちなみに、就職までをサポートして終わりではなく、名古屋ライトハウスには「就労定着支援事業」もあります。簡単にいうと、就職したご利用者が長く勤められるように働きやすい環境を整える事業です。

ご利用者が入社当初、会社の方と上手くコミュニケーションがとれないケースが多くあります。悩みを一人で抱え込んでしまうということも少なくありません。私たちがヒアリングして、些細なことであっても会社側にお伝えし、働きやすいような環境を整えていくサポートを行っています。

また、ご利用者を受け入れる会社側にも困りごとがないかを確認しているんです。例えば、企業側がご利用者にどのように業務内容を伝えたらいいかわからないと悩んでいる場合も。口頭での説明だと理解が追いつかないことがあるので、写真を入れた工程表を用意すると良いなどのアドバイスをしています。

こうした事業を通して、ご利用者本人が会社と直接やりとりができるようになるまでサポートをするのが就労支援員の仕事です。現在は、ご利用者の8割以上の方が実際に就職した職場で定着して勤務されています。
人によって異なりますが、全体を通して最大5年間という長期的なお付き合いになる方も。長期的に一人の方の成長を感じられるやりがいのある業種です。

法人様に対する営業活動も担当

──前職で培った営業スキルは現在の業務でどのように活かせていますか?

私は、ご利用者と直接関わる業務以外にも、福祉の事業所やハローワークなどで営業活動を担当しています。

就労移行支援事業は、サポートできる期間が2年間と決まっているので、ご利用者の入れ替わりが早いんですよね。多くの方にご利用いただけるよう営業活動をするのも大切な業務の一つです。

例えば、ハローワークの窓口に来た方で、私たちのサポートを受けながら就職した方が良さそうな方がいらした場合には、私たちにご連絡いただけるようハローワークの担当者にご案内しています。
他にも、ご利用者を受け入れていただく一般企業に訪問して、障害者雇用の検討を働きかける活動などもしているんです。

そういった意味で、前職で培った法人相手の営業スキルは現在活かせていると感じています。

ご利用者を含めた全ての人が働きやすい環境作り

──この仕事をしていて嬉しかったエピソードについて教えてください。

一般企業がご利用者を受け入れることで会社自体が良い方向に進んでいく姿を目にした時、嬉しさを感じました。
各企業がご利用者を受け入れる際、その方が働きやすいように会社のやり方を見直すんです。見直した結果、健常者の社員にとっても働きやすくなったということもよくあるんですよ。すべての方が働きやすい環境は、障がい者の方にとってはもちろん、健常者の方もメリットがあるのです。
私が就労支援事業に携わる前には予想もできなかった、意外な影響でした。

サポートしたご利用者の喜びがやりがい

──この仕事で感じるやりがいを教えてください。

就労をサポートしたご利用者が実際に会社から内定をもらった時は、自分のこと以上に喜びを感じられ、同時にやりがいを感じます

以前サポートした方の中には、就職活動に苦戦し、なかなか内定をいただけない方がいました。普段は感情を表に出さない方でしたが、同行した面接でついに内定をもらった瞬間は、泣いて喜ばれていたことがあったんです。そういった姿を見ると、すごく感慨深いですし、この仕事をしていてよかったなと感じる瞬間でもあります。

逆にいうと、不採用になった場面に立ち会うこともあります。お一人おひとりの性格は異なりますが、繊細な方もいらっしゃるので、残念な結果をご本人にお伝えすることには、いまだに慣れませんね。

ワークライフバランスを重視した働き方ができる

──名古屋ライトハウスの魅力について教えてください。

ワークライフバランスを重視した働き方ができる点に魅力を感じます。
私が所属している港ジョブトレーニングセンターでは、ある程度自分で仕事をコントロールできるので、残業がほとんどありません。私の場合は月に2時間ほどです。
私には2歳の娘がいるので、毎日定時に仕事を終えて保育園のお迎えに行っています。
また、港ジョブトレーニングセンターの職員は5人ほどでコミュニケーションが取りやすく、風通しのよい職場環境です。有給休暇も取りやすいと感じています。

1日の流れ

就労支援員として働く奈良輪潤一さんの場合

  • 8:20
    朝礼とご利用者の送迎

    出勤後は、職員間でご利用者の情報共有をします。送迎が必要なご利用者がいらっしゃる場合は送迎に行く場合も。

  • 9:00
    ご利用者の対応

    水曜日以外は9:00から16:00までの間、ご利用者が施設を利用しますので、面談をしたり、就労に向けた訓練を行ったりします。日によっては企業への営業やご利用者の面接同行で外出する場合も。

  • 16:00
     
    記録と振り返り

    ご利用者が帰宅する16:00以降は、対応した支援内容や活動を記録したり、職員間でミーティングをします。

  • 17:20
    退勤

    17:10分には仕事を終え、17:20には退勤できる状態にしています。